『ミステリマガジン』2009年1月号No.635【特集 世界のミステリ雑誌】

 世界のミステリ雑誌の紹介をされても、一般読者には何の役にも立たないじゃないか……と思ったけれど、スウェーデンと韓国の作品が掲載されていたのでほっとしました。これからどんどん各国ミステリが掲載される前触れだと思いたい。

「各国ミステリ雑誌大紹介」
 アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・イタリア・スペイン・オランダ・スウェーデン・ロシア・韓国・台湾・日本のミステリ雑誌が紹介されてます。
 

「向こうからの声」マティアス・ホルメソン/柳沢由実子訳(Rösten Från andra sidan,Mattias Holmesson,2007)
 ――スウェーデンの小さな町の有名人だった女性流行歌手クリスティーナ・ヘーデルグレンが何者かに首を絞められて殺された。県警の犯罪捜査官フェームと新入りの女性警官ヒルドナーは、彼女の周囲、過去などを探り始める。(解説より)

 国は違えどおんなじところはおんなじ。冒頭のパラグラフなんてホントごく普通にミステリしてます。それだけに、日本や英米のミステリとあまり違わなくてかえって残念。
 

そして誰もいなくなった」ソル・インヒョ/米津篤八(2008)
 ――結婚を目前に控えた男、ソンミンは、独身最後の登山で大雨に遭い、山荘に逃げ込む。そこには同じように避難してきた6人がいた。(中略)そんなとき、台所に立っていた一人が、何者かに刺殺された。(中略)「連続殺人犯のユ・インチョルが、移送中に逃げ出して、……」(解説より)

 短篇で7人のそして誰もいなくなったをやろうっていうんだから、サスペンスも何もあったもんじゃありません(^^;。あれよあれよという間に殺されまくり死にまくり。ミステリというよりジャン=クロード・ヴァン・ダムセガールのパロディみたいで面白かったが。結末が絵的に理解しづらい。
 

「迷宮解体新書13 黒武洋」村上貴史

「私の本棚13 川出正樹」

「独楽日記 第13回 猫がっ! 猫がっ!」佐藤亜紀

「誰が少年探偵団を殺そうと。」05 千野帽子文藝賞メフィスト賞だったころ。」
 

「書評など」
◆2008年4月号掲載「女写真家とモデル」の著者ピエール・ブールジャドが2007年に発表した『Ramatuelle』が紹介されていた。ズルズル式の犯罪小説な感じで面白げ。

◆風間賢二氏はクノー『あなたまかせの話』を紹介、大森望氏はロバート・チャールズ・ウィルスン『時間封鎖』を「今年の翻訳SF長篇を一冊だけ読むならこれで決まり」。ほかに小鷹信光『新パパライスの舟』と『私のアメリカン・グラフィティ』が出た。
 

「日本映画のミステリライターズ(第29回)」(「市川組」(II)と『悪魔の手毬唄』)石上三登志
 久しぶりに『悪魔の手毬唄』を読み返したくなりました。
 

「新・ペイパーバックの旅 第34回=〈ビッグ7〉とその他のマイナー・ブランド」小鷹信光

「夢幻紳士 回帰篇(第五話 蛇)」高橋葉介
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