『深海のYrr』(上)フランク・シェッツィング/北川和代訳(早川書房NV)★★★☆☆

 『Der Schwarm』Frank Schtzing,2004年。

 普段なら興味を持たないたぐいの本なのだけれど、『SFマガジン』か何かで絶賛していたので思わず購入。でもやっぱり好みではなかった。

 新たな登場人物が出てくればすぐに人物説明、ゴカイが出てくればすぐにゴカイの説明、企業や事業が出てくればすぐにその企業や事業の説明……と、たいへんわかりやすく読みやすいのは事実。

 「(コーヒーは)ミルクだけでいいわ」「わかってる。きみのことなら何でも知ってるよ。忘れたのか?」「そんな仲にはならなかったわ」「それは幸いだったね」……こういうのをおしゃれな会話に思える人なら読んでも大丈夫 ○| ̄|_

 ところで最初に↓のあらすじを読んだだけではわたしには意味不明な箇所があったので補足しておくと、ある種のバクテリアは海底に積もったメタン層を食料にしており、ある種のゴカイはそのバクテリアの出す糞を食料にしているのだそうです。

 ノルウェー海で発見された無数の異様な生物。海洋生物学者ヨハンソンの努力で、その生物が海底で新燃料メタンハイドレートの層を掘り続けていることが判明した。カナダ西岸ではタグボートやホエールウォッチングの船をクジラやオルカの群れが襲い、生物学者アナワクが調査を始める。さらに世界各地で猛毒のクラゲが出現、海難事故が続発し、フランスではロブスターに潜む病原体が猛威を振るう。母なる海に何が起きたのか?(カバー裏あらすじより)
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