『時をかける少女』(アニメーション版,2006,日)★★★★★

 アニメ版『時をかける少女』を見ていちばん思ったのは、「飛ぶ」シーンの躍動感です。これはアニメならではで、この躍動感があるからこそ、タイム・リープの仕方を「飛ぶ」という設定にしたのかもと思うくらいです。

 しかもぽんぽん飛ぶ。飛ぶために助走をつけるので走りまくる。そうじゃなくても走りまくる。はじめのうちはのんびりまったりした映画だなあと思っていたのですが、気づけばずいぶんとあわただしい(^ ^)。

 “考えるよりも先に行動してしまう”というキャラを体現していると同時に、見ている方にも考える暇を与えません。

 時間ものの作品にいくつか触れてしまったあとだと、どうしても意地の悪い観方をしてしまうもので、まさか大甘なハッピーエンドになるわけもないだろうし、じゃあ悲劇で終わるのかといえばそんなこともないだろうし……どう結ぶつもりなのかと思っていたら、オリジナルをうまく利用したそういう落としどころがあったのかと。

 そこで戻っても意味ないだろうと、浅はかにも思ってしまっていましたから。

 オリジナルに対するリスペクトと、新たなメッセージが両立している、続編としても単独作品としても理想的な作品でした。

 高校2年生の紺野真琴はある夏の土曜日の実験室で不思議な体験をし、それ以来時間を跳躍するタイムリープの力を身につけてしまう。はじめはそれを巧みに利用して日々を楽しんでいた彼女だが、仲良しの同級生・千昭から告白され、それを強引になかったことにしようと時を遡ったときから、運命の歯車が狂い始めていく…。
 ----------------

  


防犯カメラ