『ミステリマガジン』2011年10月号【特集 探偵は“ここ”にいる】、『S-Fマガジン』2011年10月号

 国内ミステリ中心になってからも温かく見守ってきた『ミステリマガジン』だけれど、今回はヒドすぎました。ハヤカワ文庫の国内作品映画化企画。取りあえず主演の大泉洋のインタヴューと、書評ページだけ読みました(倉数茂『黒揚羽の夏』、森田崇アバンチュリエ 新訳アルセーヌ・ルパン』)。
 

 『SFマガジン』は先月に引き続きスタンダード100ガイド。

 そして「ミリタリーSF特集」と題して、ジョン・G・ヘムリイ「亀裂」と、ミリタリーSF略史を掲載。ずいぶんとキャラクター小説だなあと思ったら、「『ミリタリーSF』こそ、それ(=宇宙活劇のヒロイズムやロマンティシズム)を今に色濃く伝える古式ゆかしい『スペース・オペラ』の後継者なのである」という主張らしい。

 書評コーナーで気になったのは、倉数茂『黒揚羽の夏』。

椎名誠ニュートラル・コーナー」は蚊柱の巻。蚊がどうこうというより、そういうところでも生きてる人間がすごい。

大野宏典「サイバーカルチャートレンド(27)」は、「二位じゃだめなんですか」発言と、スーパーコンピュータのコスパなどの話。

鹿野司「サはサイエンスのサ(197)」は、「物語の伝統的楽しみ方」。役者でドラマを見る見方とはいったい何なんだという話。

金子隆一「SENSE OF REALITY」「月の二つの顔」は、ホーガン『星を継ぐもの』漫画化に寄せて、あれはハードSF的にぶーぶーという恨みつらみ愚痴愚痴。

「現代SF作家論シリーズ」第9回は、波戸岡景太氏によるピンチョン論。当たり前だけど、ピンチョンはSFなのかどうかという話から。
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