『日本の鬼 日本文化探求の視角』近藤喜博(講談社学術文庫)★★★☆☆

 古書価も高かった幻の作品が文庫化――されましたが、名著とか大著とかいうようなものではありませんでした。。。こんなレポート生徒が出したら突き返されます。

 時代の風化は仕方ないにしても。

 相手は「鬼」。時代によって意味するものが違いすぎるため真っ向から取り扱うことなど不可能ではあるのでしょう。そこで序論では、畏き現象のうち「雷電」に焦点を絞って論じています。ただし、ひとまず雷に仮説して、というよりは、鬼は雷なのだ、ということにいつの間にかされてしまってました。何度読んでもこの部分の論理の飛躍が理解できません。

 基本的にこういう無根拠(に思える)断定的な物言いが多くて、読んでいてストレスが溜まります。

 序論が説明不足なのに、それ以後の章では序論で書かれていたことを当然のことのように、鬼だ雷だ水だ、と説明抜きで断定されているので説得力皆無。

 膨大な資料を駆使して、集めるだけで疲れちゃった印象です。。。
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