『特捜部Q キジ殺し』ユッシ・エーズラ・オールスン/吉田薫・福原美穂子訳(ハヤカワ・ポケミス1853)★★★☆☆

 『Fasandræberne』Jussi Adler-Orsen,2008年。

 シリーズ第二作は、楽しみから人に暴力をふるい殺人を犯すエリート集団の犯罪に挑みます。すでに犯人が自首・服役している事件の資料が、どうして未解決事件の捜査を担当する特捜部に持ち込まれたのか――。

 どうやら元一味であるホームレス女性が鍵を握っているようですが……。

 今回から特捜部にローセという新アシスタントが加入しましたが、ピーチクと口の悪いキャラがうまく立っておらず、相対的にアサドの見せ所も減って、二人そろって影が薄くなってしまっていました。

 「特捜部Q」――未解決の重大事件を専門に扱うコペンハーゲン警察の新部署である。見事に初の事件を解決したカール・マーク警部補と奇人アサドの珍コンビ。二人が次に挑むのは、二十年前に無惨に殺害された十代の兄妹の事件だ。犯人はすでに収監されているが、彼一人の犯行のはずがない。事件の背後には政治経済を牛耳るあるエリートたちの影がちらつく。警察上層部や官僚の圧力にさらされながらも、カールは捜査の手を休めない――口うるさい新人も加入して勢いづく「特捜部Q」の大活躍を描く、シリーズ第二弾。(裏表紙あらすじより)

  


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