「ミステリが読みたい! 2014年版」
非ミステリ作品は早川や創元で出ているものが有利なのだろうなあ、と思うにつけても、新潮社から出ているジュリアン・バーンズ『終わりの感覚』がランクインしているのを見ると、よほど面白いのだろうなと思います。知らない作家さんのなかでは、警察学校を舞台にした長岡弘樹『教場』が面白そうです。
早川書房の来年の予定に、三銃士の息子が活躍するカミ作品、カー『三つの棺』、クイーン『災厄の町』新訳、機龍警察シリーズ、法条遥の新作などが挙げられていました。
新人さんからは、メフィスト賞のファンタジー高田大介『図書館の魔女』、近本洋一『愛の徴 天国の方角』はいずれも「衒学的大作」、同じくメフィスト賞周木律『眼球堂の殺人』は「島田荘司直系の快作」ということで、すべて読みたい。
アンケートには佳多山大地氏が海外篇に参加。
「迷宮解体新書(71)辻真先」村上貴史
『仮題・中学殺人事件』シリーズの新作にして最終作が刊行。
「第三回 アガサ・クリスティー賞対談」有栖川有栖×三沢陽一
『致死量未満の殺人』。お洒落ふう衒学ミステリ、ファンタジー、に続いては、本格もの。自称「新本格派」ならぬ「新古典派」。
「追悼 長島良三」小鷹信光・藤田宜永
ああ……偕成社のルパン全集や河出のメグレシリーズではお世話になりました。
「書評など」
◆ランサム・リグズ『ハヤブサが守る家』はダーク・ファンタジー。ポケミスより、クリスチャン・モルク『狼の王子』はデンマークの作品。作中作が「美しく」「幻想美を与えている」そう。三沢陽一『致死量未満の殺人』はクリスティー賞、市川哲也『名探偵の証明』は鮎川賞の受賞作。島田荘司『星籠の海』は御手洗もの、国内篇。この事件を最後に御手洗は海外に行ってしまったそうです。麻耶雄嵩『貴族探偵対女探偵』は貴族探偵シリーズ続篇。