「TIGER & BUNNY 街の守護神、ヒーロー」
内容自体は面白そうなのですが、アメコミだとか紹介者の顔ぶれだとか、あんまり響かない特集でした。
「デーモンの死」レックス・スタウト/宮澤洋司訳(Death of a Demon,Rex Stout,1961)★★★★☆
――バリー・ハザン夫人がウルフのオフィスを訪れてやったことは、「私はその銃で夫を撃つつもりはありません」と言うことだった。こいつはいただけない。お引き取り願おうとしたとき、新展開があった。そいつはラジオから飛び込んで来た。「バリー・ハザンという男性の死体が見つかりました。背中から撃たれており……」
本篇を読んで思ったのは、ネロ・ウルフもののいくつかの作品は、ミステリというよりはホームズ、ホームズというよりはウッドハウス、あるいは水戸黄門だということです。関係者を一堂に集めて犯人を罠に掛けるなんていう新鮮味のかけらもない話なのに、アーチーとウルフの掛け合いだけでご飯3杯はいけます。
「迷宮解体新書(73)月村了衛」村上貴史
機龍警察シリーズ以外の作品もすでに書かれてらしたとは。
「ペイパーバック千夜一夜」(2)小鷹信光
『ダイ・ハード』の原作小説など。
「ハヤカワ文庫JA ミステリ読者注目の魅惑のラインナップ」
著者によるコメント付き。高田侑『雨の向こう側』は、自分に酔っちゃってる系の恋愛小説っぽい。鏑木蓮『エンドロール』(『しらない町』改題)は「孤独死」した老人のフィルムからたどる老人の人生。西本秋『天国ゆきカレンダー』、自殺までの予定を書かれたカレンダーを渡されたいじめられっ子の旅。深沢美潮『女優のたまごは寝坊する』はおそらくライトノベル。『エンドロール』と『天国ゆきカレンダー』を読んでみたいと思う。
「ミステリ・ヴォイスUK(75)新版ポアロ」松下祥子
ソフィー・ハンナによる公式な新ポワロものが書かれる予定。ほかにセバスチャン・フォークスによる新ウッドハウス、ジル・ペイトン・ウォルシュによる新ウィムジー卿、ベンジャミン・ブラックによる新フィリップ・マーロウなどがあるようです。クリスティーに関しては、関係者によればamazon型の新書店で売れるための試みなのだそうです。
「クライム・コラム(371)」オットー・ペンズラー/操上恭子訳
『ネロ・ウルフの殺人交響曲』のロバート・ゴールズボロによるネロ・ウルフもの新作『Murder in the Ball Park』刊行。
「書評など」
◆「フィルム・ノワール ベスト・コレクション」より、ウールリッチ「非常階段」の映画化『窓』。
◆ポケミス『地上最後の刑事』ベン・H・ウィンタース、タイトルだけで面白そう。『よりぬきウッドハウス1』はまだまだ終わらないウッドハウスの作品紹介。
◆ケイト・モートン『秘密(上・下)』、単行本か。。。ドロシー・ボワーズ『命取りの追伸』は、「ドロシイ・セイヤーズの後継者と称讃された」著者による古典ミステリ(1938年)。セイヤーズのどのあたりを継いだのかが問題ですが、オーソドックスなパズラーということのようです。
◆ローラン・ミヨ『ネコトピア 猟奇的な少女と100匹のネコ』。「ピアノのおけいこと同じように、殺人だって、上手になりたいのなら小さいころから始めることが大事」だそうです。