『ミステリマガジン』2014年5月号No.699【MONEY MONEY MONEY】

 一応は金融ミステリ特集ということですが、ガイドのみで小説作品はなく、代わりにタイバニ特集に翻訳権取得が間に合わなかったメリンダ・M・スノッドグラス「ルーキー」を載せるという珍編集。
 

「海外ミステリー東西評論対決」法月綸太郎VS杉江松恋
 どこがどう東西なのかがよくわかりませんが、『盤面の敵はどこへ行ったか』『海外ミステリーマストリード100』刊行記念の対談のようです。「上の世代」の人が『ホッグ連続殺人』を褒める理由を時代の流れのなかで説明していていたりとか、村上春樹沢木耕太郎とハードボイルドについて触れられていたりと、該当書を読まなくともこの対談だけでも示唆に富む指摘がなされていました。
 

「ジョンと人生のねじれた女」北原尚彦
 「ホームズ」ではなく「シャーロック」パスティーシュ第二弾。

「ミステリ・ヴォイスUK」77「高慢と偏見と殺人、そしてテレビ」松下祥子
 

「迷宮解体新書(75)西本秋」村上貴史
 『天国ゆきカレンダー』の著者。
 

「書評など」
メイ・シンクレア『胸の火は消えず』のほか、漫画『マーダー・インカネイション』菅原敬太稲光伸二は、「すばらしく後味が悪」いというのが単なる不幸自慢みたいなタイプの話でないとするなら面白そう。

 


防犯カメラ