『S-Fマガジン』2014年6月号No.699【ジュヴナイルSF再評価】

「SF COMIC SHORT-SHORT」(6)カサハラテツロー

タンポポの宇宙船」藤崎慎吾
 ――顕微鏡を覗いていたおれの目に、クマムシ……だと思うものが写っていた。銀色のカプセルの中から出てきて、手を振っている。「シャーレの中に入っている、タンポポの綿毛みたいなやつがボクの船だ。ボクが宇宙空間に戻るのを手助けしてほしいんだ」

「たとえ世界が変わっても」片理誠
 ――僕が欲しかったのはターミナル・ドールだ。なのにパパの誕生日プレゼントはただのロボットだった。それでも、お爺ちゃんの遺してくれたものだと聞くと、無下にはできない。学校に連れて行ったら案の定ばかにされたし、経済実習の課題ではとんでもないことをやらかしてくれた。

 どちらかというと、ラノベ寄りの藤崎作品と、ジュヴナイル寄りの片理作品、でした。
 

「ジュヴナイルSFの黄金時代」三村美衣

佐島勤インタビュウ」

「ハード・ジュヴナイルを求めて」泉信行×吉田隆一

 「ここらへんからはライトノベルの歴史とも重なってくる」「『ライトノベル』はジャンルではない」「ジュヴナイルの復権とは、《電撃文庫》の隆盛のことである」というさまざまな発言よりも、「(ライトノベルとは)最近では萌え系イラストが付属した新規メディアと見なされる傾向が強い」という文章が一番しっくりきます。「ジュヴナイル」≠「ライトノベル」だけれど、もともと「ジュヴナイルSF」≒「ライトノベル」という相性はあったのだと思いますが。
 

「エンタメSF・ファンタジイの構造(3)心地よく、秘密めいた物語――森見登美彦ペンギン・ハイウェイ』」飯田一史

「SFのある文学誌(30)」長山靖生

「エピローグ〈2〉」円城塔
 「プロローグ」「エピローグ〈1〉」に続く連載第三回。

「釘がないので」メアリ・ロビネット・コワル/原島文世訳(For Want of a Nail,Mary Robinette Kowal,2010)
 ――一族の記録をすべて管理するAIの損傷をきっかけに見えてきた真実とは。ヒューゴー賞受賞作。(袖惹句より)

「近代日本奇想小説史 大正・昭和篇(11)」横田順彌

大森望の新SF観光局(39)東京サンフランシスコ急行」

「と、ある日の帰り道」宮崎夏次系
 ほろりとする(?)ギャグ漫画。いい思い出です。
 

「第9回日本SF評論賞最終選考会採録川又千秋・図子慧・森下一仁塩澤快浩

「乱視読者の小説千一夜(38)タイムマシンに乗って」若島正

「彼方へ」草上仁

 


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