縦軸を〈現実〉〈非現実〉に、横軸を〈マジこわい〉〈コワかわいい〉にして、「こわ〜い漫画」を分類したガイド。
「日常のすぐ隣にある異世界を、成長過程にある少女の目線で描いた」小森羊仔『青い鱗と砂の街』全2巻(コワかわいい4.5、現実=非現実)、死んだ少女の代わりに四年二組で犬として扱われることになった転入生の小山鹿梨子『校舎のうらには天使が埋められている』全7巻(コワかわいい0.5、現実2.5)、「怪談「累ヶ淵」の裏に潜む根源的な問いに現代的なアプローチで挑む」松浦だるま『累』1〜4(マジこわ2.0、非現実1.5)のほか、『蟲師』、『ポーの一族』、近藤ようこ『見晴らしが丘にて』、『座敷女』、杉浦日向子『百物語』、『百鬼夜行抄』、山下和美『不思議な少年』、伊藤潤二「首吊り気球」といった定番も。
「山岸涼子ロングインタビュー」
自分で怪異を体験してから怪談を積極的に描くようになったという著者の、怪談実話漫画『ゆうれい談』は、ガイドではあまり面白そうには思えなかったのですが、インタビューのページで紹介されている『ゆうれい談』や『黄泉比良坂』のコマの美しさ。
「連載作家に聞く私のトラウマ漫画」漆原ミチ・辻村深月・伊藤三巳華・近藤ようこ・加門七海・柴崎友香
◆新刊紹介ページに水沫流人の名前が載っていたので気になった『視えるがこわい! 地霊町ふしぎ探偵団』。「視える」シリーズの第二弾ということですが、出版社ホームページを見ると『幽』と角川つばさ文庫のコラボ企画ということで東編集長の言葉が載っていました。何と言うか、信頼度が違いますね。『本をめぐる物語 栞は夢をみる』も、北村薫の名前があったのとテーマが本なので気になりましたが、こちらは「ダ・ヴィンチ編集部編」で一気に信頼度が下がります。
「door #4 面接のマナー」今日マチ子
「つくよみ双紙(11)」佐藤弓生・町田尚子
式子内親王「ほとゝぎすそのかみ山の旅枕ほのかたらひし空ぞ忘れぬ」から、寄宿舎と少女アンヘラの物語が生み出されるとは。
「大和 闇の祭 四」宮家美樹
「怖いお話、うたいましょう」東直子・道尾秀介・川野里子
怖いという点では「コンセントへ刺そうとしたら向こうからすでに刺されていたのでやめた」がベストでした。
『ひとりぼっちの地球侵略』(7)小川麻衣子(小学館ゲッサンcomics)
『純潔のマリア exhibition』石川雅之(講談社アフタヌーンKC)
地球侵略(7)。扉の絵が自殺する直前みたいでドキッとしますが、大鳥先輩は空を飛べるんですもんね、飛び降りるんではなく逆で、着地している瞬間なのでしょう。
『exhibition』は続編ではなく、前日譚・つなぎのエピソード・後日譚から成る短篇集でした。