『幽』vol.25【人形/ヒトカタ】

 第25号の特集は「人形/ヒトカタ」。グラビアは皆川博子とのコラボになっています。それにしてもこのグラビアと表紙の人形、妙に腹の立つ顔をしているのですが……。
 

「人形は、なぜ怖いのか」京極夏彦
 インタビューでしょうか。人形が怖いとされるようになったのは、1960〜70年代の「お菊人形」のころからではないか、という独自の見解を披露されています。また「人形の怪」を二つにわけて、「誰かが操っているケース」と「古くなる。そうなると付喪神に」なるケースを紹介しています。特に二つ目のケースで、「確かに「霊」は宿るんだけど、それは人間の霊じゃない」というのがポイントですね。

「震える教室(2)いざなう手」近藤史恵
 

「幽的民譚(13)木にさわる男」南條竹則
 アメリカでは縁起担ぎに「たとえば、何か不吉な言葉を言ってしまった時、間近にあるもの、ことに木製製品にさわる」という話から、ジョージ・ボローの『ラヴェングロー(Lavengro)』が紹介されています。

「『深泥丘奇談・続々』刊行記念インタビュー」綾辻行人
 雪密室ならぬ猫密室、気になります。

「怪談実話の尽きせぬ魅力」恩田陸×福澤徹三
 お二人とも飲み屋は怪談の大事な収集源のようです。

「山と釣りの怪異を語ろう」夢枕獏×安曇潤平
 お二人そろって、年を取ると体力が落ちて山から釣りに……と、リアルな話をしていらっしゃいますが……。

「怪異と空想の魚事情」伊藤慎
 『妖怪・憑依・擬人化の文化史』を上梓した研究者による、異類あれこれ。

「ジョン・ディーとエドワード・ケリー、そして始原の書物」横山茂雄
 『神の聖なる天使たち――ジョン・ディーの精霊召喚 一五八一〜一六〇七――』を上梓した著者による、苦労話。

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