コーネル・ウールリッチ原作。テッド・ラズラフ監督。ボビー・ドリスコール、アーサー・ケネディ、ポール・スチュアート出演。
ニューヨークのアパートで両親と暮らすトミー少年は、日頃から自分の空想した作り話を人に聞かせては両親を困らせていた。ある蒸し暑い夜、外の非常階段で寝る事にしたトミーは、上の階に住むケラーソン夫妻の部屋で起った殺人を偶然目撃してしまう。しかし日頃の言動から誰もトミーの言葉を信用しないばかりか、夫妻に目撃した事を知られてしまい、魔の手がトミーに忍び寄ってくる。ヒッチコックの『汚名』などのカメラマンとして名高いテッド・ラズラフがコーネル・ウールリッチの短編を映画化したもので、綿密な脚本構成と優れた演出力で1949年ベルギー国際映画祭の監督賞、主演のドリスコルはアカデミー特別賞をそれぞれ受賞した。(あらすじより)
コーネル・ウールリッチ「非常階段」の映画化です。ヒチコック『裏窓』のイメージがあったのでてっきり向かいの建物の窓かと思っていたのですが、同じ建物の上階だったようです。目と鼻の先で殺人を目撃したんですね、これは怖い。
警察に知らせようとして警察署に入ってゆく勇気が出せない少年が、警察署に忍び込む猫に導かれるようにして中に入ってゆく演出をはじめとして、刑事部長に「夢」と言われて声の調子を変えたり、さっきまでは怖がっていたのに刑事と一緒に帰ることができて嬉しそうにはしゃいだり、子どもらしさが随所に見られます。
しかしながらその一方で、この手の映画の出来の何割かは、子どもが可愛いかどうかにかかっているのですが、生憎とこの子は可愛くないですね。。。
中盤以降はぐだぐだです。露見してからの展開が、犯人が間抜けで子どもに逃げられたり、子どもが間抜けでまた捕まったりと、機知や機転ではなくお互いの間抜けが原因なのでは、サスペンスが生まれません。捕まえた子どもをアパートに連れ帰ったり、突き落とさず自然に落ちるのを待っていたり、何かもう残念な人過ぎてむしろ犯人を応援したくなっちゃいましたよ。。。子どもは子どもで大声をあげたり足音を立てたりだし、極めつけは、おまえ故意の人殺しじゃん……。
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