『ミステリマガジン』2019年9月号No.736【探偵と名言】

「夢中伝―福翁余話(1)」荒俣宏
 早川社長の呼びかけに答える形で書かれた、「おもしろすぎた」『福翁自伝』より「もっとおもしろい福沢伝を小説に」書いたもの。

「特集 探偵と名言」
 寄稿者と探偵&名言のチョイスが微妙すぎました。マーロウの台詞は何十年も前から言われてるしなあ。

「小特集 津原泰水
 デビュー三十周年とのこと。

「おやじの細腕新訳まくり(14)」田口俊

「ピーター二号」アーウィン・ショウ田口俊樹訳(Peter Two,Irwin Shaw,1952)
 ――ピーターは十三歳、彼の学校のクラスには同じピーターという名の子供がほかに三人おり、歴史の教師からピーター一号、二号、三号、大ピーターと呼ばれていた。誰もいない家でテレビを見ていると、叫び声が聞こえた。女の人がドアを叩き、「お願い、ドアを開けて」と叫んでいる。

 喧嘩をしたことで大きくなれたと勘違いした少年が、現実を目の当たりにして「大人」の行動をしてしまう苦い話でした。
 

「ミステリ・ヴォイスUK(114)鐘と時」松下祥子
 

「迷宮解体新書(111)伊坂幸太郎」村上貴史
 新作『クジラアタマの王様』刊行と、来年のデビュー二十周年を控えて。
 

「イングリッシュ398:フィクション・ワークショップ」アート・テイラー高橋知子(English398 : Fiction Workshop,Art Taylor,2018)
 2019年エドガー賞最優秀短篇賞受賞作。
 

「書評など」
ポケミスソフィー・エナフ『パリ警視庁迷宮捜査班』。タイトルが面白そうだもの。〈未来の文学〉からはハーラン・エリスン『愛なんてセックスの書き間違い』

降田天『偽りの春 神倉駅前交番 狩野雷太の推理』。表題作は日本推理作家協会賞短編部門を受賞した倒叙もの。

フェリスベルト・エルナンデス『案内係』は、「マジック・リアリズムの先駆者」の本邦オリジナル作品集。

山口雅也制作総指揮による〈奇想天外の本棚〉第一弾が、クリスティー原作/マイケル・モートン脚本『アリバイ』。『アクロイド殺し』の戯曲化。可もなく不可もなくといったところらしい。

機動警察パトレイバー THE MOVIEのブルーレイ版が出た模様。「不朽の傑作です」という言葉どおりの名作です。
 

  


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