『アフタヌーン』2020年1月号(講談社)
「おおきく振りかぶって」158「はじまりの冬 2」ひぐちアサ
ふたたび理論編。連載だと試合は流れがぶつ切れてしまうので、理論編の方が面白く感じます。
「ヴィンランド・サガ」167「西方航路1」幸村誠
ようやくタイトルにもなっているヴィンランド行きの計画段階に入りました。
「ワンダンス」11「初コンテスト 後編」珈琲
初てのコンテストでしたが、すでにどんどん欲が出てきたようです。
「スキップとローファー」16「トロトロの帰省」高松美咲
志摩くんは扉と回想の一コマだけ。みつみ、地元に凱旋(?)です。天然のイメージの強いみつみが地元の友だちと普通に会話しているのを見ると、やっぱり同じ友だちとは言っても幼なじみと高校の友だちとでは違うんだなあと実感できます。こういう細かい描き分けが魅力の一つなのでしょう。
「フラジャイル 病理医岸京一郎の所見」67「反逆者の帰還」草水敏/恵三朗
アミノ製薬に戻って来たものの裏切者扱いされて煙たがられている火箱に、JS1開発者に関する衝撃の情報が飛び込んできます。そして「ふたたび反逆へ」。恵氏がいつだったかの鼎談で「ハル編」について話していましたが、今回の話もあれだけの出来だった「未来は始まっている編」を軽々と超えてしまいそうな導入でした。
「どク」中田祐樹
――母親の言うとおりにすることに慣れてしまい、自由に何かをすることが出来ず受験にも失敗した。リストカット痕を見られた同級生の男子は、女装してお金を稼いでいた。
2019年四季賞秋、萩尾望都特別賞受賞作。いかにもというような訳あり同士なのですが、本人も著者も自分に酔っていないからでしょうか、とても新鮮で好感が持てる作品でした。何の意味もないように見えても、コミュニケーションだったり藻掻いたりすることは大事なのでしょう。どこに向かっているのかわからないまま、気づけば将来の夢を見つけられていました。
『ハコヅメ~交番女子の逆襲~』(10)泰三子(講談社モーニングKC)
宮原部長はいつも正論で、勉強になります。そして大豊作の年、四人目がいよいよ登場するのが特別編「同期の桜1」。四人目は劣等生だったんですね。三人の髪が長い理由もわかりました。藤部長のパワハラや、初登場シーンで持っていたダンボールの意味は、次の11巻で明らかになるようです。
『青頭巾』相田裕(JEWEL BOX)
『ガンスリンガーガール』『イチゴーイチハチ』の著者による同人誌。殺生石で出来た刀に心を喰わせることで鬼を殺してきた青頭巾。青頭巾のシノは、師匠や村人の仇を討つため、伝説の青頭巾・春安に弟子入りを志願する……。真っ直ぐな若者の気持が、すべてを失った達人の気持を甦らせるという内容で、イントロダクションだけで終わってしまったような物足りなさも感じました。
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