『アヒルと鴨のコインロッカー』伊坂幸太郎(創元推理文庫)★★★★☆

 アパートの隣人に誘われて、本屋から広辞苑を盗むはめになってしまう。

 この冒頭の設定だけで、どんな話なのかと読みたくなってしまいました。

 本書は二つのパートからなり、「現在」パートでは大学生の椎名が河崎という風変わりな隣人に振り回され、「二年前」パートではペットショップ店員の琴美という河崎の元カノが連続するペット殺しに巻き込まれます。

 二つのパートは最後にはリンクするのですが、それよりも感心したのは椎名の部屋から教科書が消えた謎で、ミステリ好きとしてはこういう逆転のロジックには惹かれてしまいます。

 引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。彼の標的は――たった1冊の広辞苑!? そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ! 清冽な余韻を残す傑作ミステリ。第25回吉川英治文学新人賞受賞。(カバーあらすじ)

  


防犯カメラ