『シャーロック・ノート 学園裁判と密室の謎』円居挽(新潮文庫nex)★★★☆☆

 探偵士が社会的に認められている世界を舞台に、探偵養成学校に通う少年・成《なる》が遭遇する三つの事件が収録されています。

 一話目は新入生に紛れこんだ特待生(特究生)をさがす……というか、特究生を当てる推理ゲーム。

 二話目は成がいかにして学園に入学することになったかの前日譚。

 三話目は、二話目の犯人との一騎打ち、が描かれていました。

 円居挽らしいディベート・ミステリで、二転三転というよりはロジックをゴロゴロ転がしてゆく過程を楽しみました。

 なぜか黒死館や鬼貫警部が登場します。

 あからさまにシリーズものの序盤なので、投げっぱなしのネタが多々存在しています。

 剣峰成《つるみね・なる》は退屈していた。都内屈指の進学校にもかかわらず、クラスメイトは凡庸な生徒ばかり。目指す高みには到底たどり着けそうにない……。そんな成の前に現れた少女、太刀杜《たちもり》からん。彼女との出会いをきっかけに、成は鷹司《たかつか》高校の真の姿を目の当たりにする。論理と論理をぶつけ合う学園裁判。殺人と暗号。連続密室爆破事件と犯人。若き才能が放つ、青春×本格ミステリの新機軸。(カバーあらすじ)

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 シャーロック・ノート 学園裁判と密室の謎 


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