『幻影の牙』戸川昌子(双葉文庫)★☆☆☆☆

『幻影の牙』戸川昌子双葉文庫

 1970年初刊。

 ミステリではなく経済小説でした。詐欺師でもある漁色家の男が美容院業界に狙いをつけて、狙った女と金をモノにしようとするという話なのですが、びっくりするほどつまらない内容でした。

 この手の話の常として女があっさりモノになるので駆け引きも何もなく、そっち方面でのストーリーの起伏は期待できません。では詐欺方面はどうかというと、これも常に女とセットで話が進んでゆくのでげんなりしてしまいました。かといってエロさもたいして無いですし。お筆先とかいう、股の間に筆を挟んで予言をする巫女が出て来るあたりは、馬鹿らしいというよりは著者らしい奇想というべきでしょうか。

 天才的詐欺師・瀬木山雄二が狙いをつけた獲物は、美貌と豊満な肉体の美容師たち。美容師組合の親睦旅行にもぐり込んだ瀬木山は、まんまと最初の獲物を陥落させる。次なるターゲットは大手美容学校の女校長だ。色と欲との二股道を、舌先三寸でおしわたる痛快無比の網渡り人生! 事能は意外な展開をみせるが、この男、少しもあわてず網を広げる!?(カバーあらすじ)

 [amazon で見る]
 幻影の牙  


防犯カメラ