「革命歌作詞家に凭りかかられてすこしづつ液化してゆくピアノ」塚本邦雄

革命歌

 歌とは呪文であり、楽とは祭祀であった。耳で聴き、髪膚を震わし、預言を渇望し、神を視、奇禍の臭を嗅いだ。五感のすべてで感じるとともに、五行すなわち世界と交感する手段であった。

 メッセージソングというジャンルがあります。曲にのせたメッセージ。伝えるのは歌ではなく言葉だけ。言葉が主となり曲が従となるとき、やがて歌の命は失われ、少しずつ死に絶えるでしょう。演説ではない、あくまでも曲にのせた言葉――それは歌殺しではなく歌の生殺しです。歌を切り捨てるのではなく、歌を奴隷化して辱める行為にほかなりません。

 革命歌とは、もっとも熱いメッセージ――すこしずつピアノをも溶かし、歌をも殺すほどの。

 絵が下手なものであまりうまくイメージを伝えられませんが……。
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現代短歌の鑑賞101
小高 賢編著
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