『死体が多すぎる 修道士カドフェル2』エリス・ピーターズ/大出健訳(光文社文庫)★★☆☆☆

『死体が多すぎる 修道士カドフェル2』エリス・ピーターズ/大出健訳(光文社文庫

 『One Corpse Too Many』Ellis Peters,1979年。

 喜国雅彦『本格力』で紹介されていたあらすじを読んで面白そうだと感じ、登場人物が魅力的という評価にも惹かれて読んでみました。

 正直な話、登場人物にはまったく魅力を感じませんでした。

 登場人物の魅力に関しては巻末エッセイや解説でも述べられているので、喜国氏ひとりの感想ではないのですが――。

 たぶん、登場人物はみんな、いい人なんでしょうね。それが物足りなくてクライマックスでは悪役の方を応援しちゃいましたよ。。。

 一人多かった死体の正体もあっさり判明するのですが、その犯人探しというよりは、僭王スティーブンと正統モードの争いという史実を背景に、敵対派から身を隠しているキーパーソンの身のまわりのあれこれという感じで、登場人物に魅力を感じられなければしんどい内容でした。

 【※ネタバレ*1

 ――シュルーズベリは混乱の極みにあった。ヘンリー一世を後ろ盾とする女帝モードがフランスにいる隙に、イングランドの多くの貴族達に推される対抗馬、スティーブン王がシュルーズベリ城を陥落させたからである。その戦いで捕虜となり処刑された者、94名。ところが、埋葬を頼まれたカドフェルが見たのは95名の遺体だった。死体が多すぎる。誰が何のために死体を紛れ込ませたのか? 高潔の人、カドフェルの追及が始まる!(カバーあらすじ)

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*1ちなみに死体が多かった理由にチェスタトンのような奇想はなく、ただ単に見つからないように混ぜただけ。

 


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