「SF COMIC SHORT-SHORT(3)」うつろあきこ「スシになろうとした女」パット・キャディガン/嶋田洋一訳(The Girl-Thing Who Went Out for Sushi,Pat Cadigan,2012)★★★★☆ ――フライが木星《ビッグJ》の主環にぶつかり骨折したときのことだ。「わたし、ス…
「SF COMIC SHORT-SHORT(1)」ツナミノユウ「ナスターシャの遍歴」扇智史 ――旧友のナスターシャが語る不思議な寓話は、繭子に激しい好奇心と動揺をあたえるが……。(袖惹句より) 妄想ではなく、拡張現実であった、というのが新しいというかSFではありまし…
「SF COMIC SHORT-SHORT(1)」つばな 扉のイラスト連載が終わり、今月号からは一ページ漫画。第一回は『七女』のつばな。 「みずは無間(第一部)」六冬和生 ――孤独な宇宙探査機が想い起こす昔日の恋人とは…… ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作。俺語りラノ…
「世界捻出者」ジャック・ヴァンス/中村融訳(The World-thinker,Jack Vance,1945) ――暗号とともに消えた逃亡犯を追い、惑星を訪れた男を待っていたものとは。記念すべきデビュー作(袖惹句より)「ミス・ユニバース誕生!」ジャック・ヴァンス/酒井昭…
「ホワイトフェード」キャサリン・M・ヴァレンテ/佐田千織訳(Fade to White,Catherynne M. Valente,2012)★★★★☆ ――マーティンは大人になったら、ほかのなによりも「夫」になりたかった。シルヴィーの「お披露目」の日は、血や炎の色を通りこした夜明け…
「〜ニュートラルハーツ〜File 1 電気少女の気持ち」吉富昭仁「星の池」丸山薫「と、ある日の忘れもの」宮崎夏次系「永遠の創作物」鷲尾直広 「SFのある文学誌(22)天皇が語る日本の行末――内地雑居の未来」長山靖生「乱視読者の小説千一夜(32)消えた煙…
『ミステリマガジン』2013年9月号No.691【魅惑のタカラヅカ/作家特集・ジャック・リッチー】 これまでもミステリマニア以外の読者を開拓する努力が窺えた『ミステリマガジン』ですが、今月号はちょっとやりすぎの感が。作家特集 ジャック・リッチー「わが父…
「春告鳥」乾石智子「チョコレートとあぶらあげ Helsingin Repot」勝山海百合 ――東京であの災害があった時、ヘルシンキにいた。僕はまだここにいる…… そう言えば『玉工乙女』も食べ物の美味しそうな小説でした。 「廃園の昼餐」西崎憲 ――子宮のなかで、おれ…
『オール・クリア2』ももうすぐ発売。用語集付き。「エミリーの総て」コニー・ウィリス/大森望訳(All About Emily,Connie Willis,2011) ――ブロードウェイの伝説にして『オンリー・ヒューマン』主演女優のクレア・ハヴィランドの前にあらわれたアーティ…
『ミステリマガジン』は『探偵はBARにいる2』特集。興味がないのでオール・スルー。「アルモニカ・ディアボリカ」(6)皆川博子「書評など」 西崎憲『短篇小説日和』は『英国短篇小説の愉しみ』のダイジェスト+増補版。『鳥類学者無謀にも恐竜を語る』…
「エンジン」ジェイムズ・S・A・コーリイ/金子浩訳 ――宇宙空間で事故に遭った男は振り返る――愛する妻と、みずからが設計した装置のことを(袖コピーより)「SFのある文学誌(17) 古代生物と地球空洞説 明治のヴェルヌ・ブーム3」長山靖生「SFまで100…
「コルタサル・パス」円城塔 ――僕は彼女と、時空や世界を超えて会話する。それはあるべき宇宙の形なんだ――。(袖コピーより) 夏から始まる新連載のプロローグ。コルタサル「続いている公園」とメルヴィル『白鯨』に捧げている(かもしれない)作品。コルタ…
「選択」ポール・J・マコーリイ/金子浩訳(The Choice,Paul J. McAuley,2011)★★★★☆ ――異星人ジャッカルーの「ドラゴン」が浜に乗りあげた。ルーカスは友人のダミアンにせがまれ、ヨットを出した。兵士と科学者がドラゴンの中身を見ようとして、爆破した…
日本作家特集 未知の作家二人に、既知の作家二人。未知の作品はどちらも肌に合いませんでした。「コラボレーション」藤井太洋 ――持ち主もないまま放置されインターネットでのたうち回るサービスを「ゾンビ」と呼ぶ。学生時代に俺が作ったサービスがまだ生き…
「日本SF作家クラブ創立50周年記念特集」と銘打ってクラブの歴史や日本SFガイドや年表を掲載。『日本SF短篇50』という全5巻のアンソロジーが発売予定。「書評など」◆ティム・バートン『フランケンウィニー』にて復活。海外ドラマ『TOUCH/タッチ』。◆芝…
「アース・アワー」ケン・マクラウド/矢口悟訳(Earth Hour,Ken MacLeod,2011) ――財政界を仕切るフィクサーとして活躍するアンガス。だがその背後に謎の影が忍び寄っていた。(袖コピーより) 暗殺に巻き込まれた被害者を処置するシーンであっと言う間に…
夏って何だと思ったら、「夏の時代」の夏でした。 「ジャララバードの兵士たち」宮内悠介 ――ルイ(隆一)はザカリーの案内で首都のカブールに向かっていた。ゲリラが購入し、顔をつぶしたDXが襲ってくる。 DX9シリーズの三作目。今回はDXの役どころが…
レイ・ブラッドベリ特集。 未訳エッセイ一篇+未訳短篇二篇「生まれ変わり」「ペーター・カニカス」+名作再録「霧笛」「歌おう、感電するほどの喜びを!」+井上雅彦&新城カズマによるオマージュ短篇二篇+追悼エッセイ。 オマージュ短篇がどちらも雰囲気…
今月号はガイドがメイン。巨匠から現役作家まで20人。コニー・ウィリス『ブラックアウト』が8月にいよいよ刊行。早川書房の書影を見るかぎりでは、装画はこれまでどおり松尾たいこ氏。でもポケミス版の装幀には似合わないような気も……。 「SF BOOK SCOPE」◆…
「ロワーサイドの幽霊たち」宮内悠介 ――グリーンカードの申請はあっさり終わった。それが家族が揃った最後となった。いまビンツは七十八階のオフィスにいた。「二つのタワーのあいだには何があると思う?」「広場じゃないの?」 インタビューのコメントと、…
「SF IMAGE GALLERY」(7)加藤龍勇 J・G・バラード「プリマ・ベラドンナ」。この人はカラーよりも白黒の方がいい。「龍男」ではなく「龍勇」であることに今になって気づきました。「シェリー・プリースト『ボーンシェイカー ぜんまい仕掛けの都市』紹介」…
「SF Image Gallery 06」緒方剛志 早くも『ねじまき少女』が登場。「ミーチャ・ベリャーエフの仔狐たち」仁木稔 人工生物である「妖精」の存在を否定するグループに属しているケイシーは、夜な夜な妖精狩りをおこない、社会不安をあおろうとしていたが……。 …
「恥をかく」レジナルド・ヒル/松下祥子訳(Fool of Myself,Reginald Hill,2005) ――親愛なるダルジール警視殿。母ひとりに育てられた息子がマザコンになるのはしかたないことでしょう。ですが思春期がくると、ぼくも女の子というものを発見したのです………
野尻抱介『ピアピア動画』のイラストがいい意味でアホです。 BDスクイテン『闇の国々』、アメコミグラント・モリソン『WE3 ウィースリー』。 「Four Seasons 3.25」円城塔 ――Spring おれは時を逆行しようと決める。どうやって、と訊くような奴には無理…
「雲界のスルタン」ジェフリー・A・ランディス/中原尚哉訳(The Sultan of the Clouds,Geoffrey A. Landis,2010) ――太守の思わぬ招きによって、研究者のリアと僕は金星の空中都市群を訪れたのだが……(袖コピーより) シオドア・スタージョン記念賞。「…
今回の日本人作家特集はありがたいことに、新人作家特集でした。しかし表紙はもっと何とかならないものか。。。「ヨハネスブルクの天使たち」宮内悠介 ★★★★★ ――「来週、赤十字の車を襲う」と仲間の一人が割りこんできた。「相手が軍だから、街の連中も見逃し…
今月号は現在でも容易に読める作品が多く、それ以外の未読作品にはたいしたものがありませんでした。 「21世紀の夢 新世紀の魚族―七つの大洋を駈ける潜水船―」高橋泰邦 ――50年後の未来は、原子力潜水艦が発達し、目下の目標は「海図」の作成だった。 未来予…
『ミステリマガジン』は「2011年ベスト・ミステリ」特集。 ミステリマガジンは毎号読んでいるのに、ランキングにほとんど見覚えがないことに愕然としました。ポケミスと『犯罪』『サトリ』『忘れられた花園』くらい。それこそ「バラエティに富んだ作品がいっ…
「トロイカ」アレステア・レナルズ/中原尚哉訳(Troika,Alastair Reynolds,2010)★★★★☆ ――元宇宙飛行士ディミトリ・イワノフは施設を脱走して吹雪のなかを元天文学者ネシャ・ペトロワを訪れた。ネシャは正しかったのだ……。数十年前、突然、時空が大きく裂…
今月号の特集は「日本SF第一世代」。かなり力の入った特集ですが、まったく興味がないのです。。。「機龍警察 雪娘」月村了衛 一本の鉄棒で串刺しにされていた男の死体。ユーリ警部はモスクワ警察時代に遭遇した刺殺事件と少女のことを思い出していた……。…